ワキガ治療では、この皮下組織を切開して行う治療を切る治療と呼びます。ここでは、皮下組織に関する基礎知識や、切る治療の名医についてご紹介していきます。
ニオイ対策を取るためにはニオイの原因「皮下組織」について知ろう
ワキのニオイを改善させるために皮下組織削除法が取られることがあります。ここからもわかる通り、皮下組織はニオイと深い関係を持っているのです。ここではそもそも皮下組織とは何か?などについてご紹介します。
基礎知識皮膚の構造は、大きく分けると3層に分かれています。肌の表面にあるのが表皮、その下が真皮、真皮よりさらに奥にあるのが皮下組織で、この皮下組織にワキガ大きな原因と考えられる2つの汗腺があります。
表皮の体部平均は厚さ約1mm以下で、身体から出るアカやフケが表皮と認められています。
真皮は、表皮と皮下組織の間にあり、部位によっては1~4mmと厚さが大きく異なります。この真皮には毛根、皮脂腺などが存在しています。
汗腺には2つの種類があり、その一つがエクリン腺です。エクリン腺は全身に存在しており、その数は約200~500万個です。([PDF](株)資生堂研究開発本部 基盤研究センター薬剤開発研究所長「皮膚科学と化粧品」)毛穴とはまた別に開口、分布しています。よく運動をすると、エクリン腺から汗が出てきます。このエクリン腺から出てくる汗の特徴としては、ほとんどが水分なのでサラサラしていることです。
エクリン腺から出る汗は、サラサラとしており無臭です。しかし、皮膚表面の細菌が汗を分解したり、皮脂などと混ざったりすることで、不快なニオイを発生するといわれています。
不快なニオイが発生する場所は、体の部分でいうと足が分かりやすいです。靴を履いていると足が蒸れて臭くなるのは、エクリン腺から分泌された汗を皮膚表面の細菌が分解し、皮脂と混ざり合うからです。
汗腺であるアポクリン腺は、ワキガの大きな原因になる汗腺です。このアポクリン腺はエクリン腺とは異なり、毛包と脂腺と一体化しています。アポクリン腺のほとんどが脇下に多く分布しており、残りの少量は乳輪やおへそ周り、陰部に分布しています。
アポクリン腺から出る汗には特徴があり、弱アルカリ性の粘稠な汗を分泌します。この汗を皮膚表面の細菌が分解することで、ワキガ独特のニオイを発生させます。
女性の方でワキガに悩んでいる人も多くいますが、このアポクリン腺は男性より女性に多く分布しているのです。そのため、ワキガに悩む女性が多くても、おかしくありません。([PDF](株)資生堂研究開発本部 基盤研究センター薬剤開発研究所長「皮膚科学と化粧品」)
大学病院とクリニックが共同で開発した治療法です。クアドラカットメスという特殊な器具を使います。皮膚の切開範囲を4~5ミリと最小限に抑えるうえ、臭いの元となるアポクリン汗腺を削ぎ落して吸引除去します。傷が小さいのでダウンタイムも短くすみます。
ワキの皮膚をしわに沿って4センチほど切開して、アポクリン汗腺と皮脂腺を切除していく方法。切る治療法としては最もスタンダードな方法で、保険診療の対象にもなります。アポクリン汗腺を医師が目視して取り除くため、医師の技術が問われますが、再発しにくい方法です。
患部を1センチほど切開し、カニューレと呼ばれる細い管を使ってアポクリン汗腺を吸い出す治療法です。こちらも保険診療の対象となっています。剪除法より小さな切開ですみますが、直接目視して汗腺を除去できないために、取り残しが生じる可能性があります。
スプーン型のキューレットという医療器具を使用し、アポクリン汗腺とエクリン汗腺を掻き出す方法です。わきの下の中央部分にあるシワにそって2センチほど切開して行います。剪除法より傷口が小さいというメリットがある一方、目視して汗腺と取り除けないので汗腺が残ってしまうというデメリットも。
東京と大阪にある「五味クリニック」が考案し、五味クリニックでしか取り扱っていない治療法です。1.5センチほど切開して、医師が目視でアポクリン汗腺とエクリン汗腺の線根を真皮層ごと除去します。根治率が高く、再発しにくい治療法です。
「ロ―ラークランプ」という医療器具を使用して、アポクリン汗腺を吸引する治療法です。傷口は約5ミリとかなり小さいのが特徴。アポクリン汗腺の除去率は剪除法・皮弁法よりも低いため、軽症のワキガや傷跡を残したくない方におすすめの方法です。
「ベイザーリポ」という医療用レーザーを使う治療法です。患部を1センチほど切開してカニューレを挿入し、そこからベイザー波を照射します。超音波振動のベイザー波が、体の組織に負担をかけることなくアポクリン汗腺を溶かします。
イナバ式組織削除法は東京にある「稲葉クリニック」が開発した治療法で、日本医師会最高優功賞も受賞しています。1センチほどの切開を数か所行い、イナバ式皮下組織削除器という専用の医療器具を用いて、アポクリン汗腺とエクリン汗腺を削ぎ落とす方法です。
東京の「北村クリニック」が開発をした治療法です。小さな穴を開けてベイザー超音波で汗腺だけを破壊し、一般カニューレの2倍の吸引力があるという独自開発のカニューレにて汗腺を吸引します。傷跡がほとんど残らないというメリットがあります。
マイクロリムーブ法は1センチほどの切開部から「マイクロシェービングコンソーラー」という専用の医療機器を挿入して、皮下のアポクリン腺を粉砕と除去する治療法です。除去率が高く再発の心配が低いのが特徴。傷が小さいので従来の切る施術と比べると、術後の回復も早めです。
わずか4ミリほどの小さな切開部から、SCカニューレという医療機器を挿入してアポクリン腺とエクリン汗腺を取り除きます。ワキガの程度により、1ヵ所だけ切開する1点式、または2カ所切開する2点式を医師から提案されます。
ワキガの原因となるのは、汗腺から出てくる汗を皮膚表面の細菌が分解し、汗と皮脂と混ざり合うことで不快なニオイを発生することです。ワキガ対策として、市販されているデオドラント製品を使用している人も多いですが、あくまでもニオイを抑えているだけで、根本的な原因は解決していません。
「ワキガを完治させたい!」「ニオイを根本的に抑えたい!」と希望する人は、一度クリニックへ行き、医師の診察を受けることをおすすめします。医師の診察を受けることで、ご自身のワキガがどの程度なのか、どんな治療があるのかなど、詳しく知ることができます。
「クリニックは少し怖い」と不安に思うかもしれませんが、適切に診察・診断してもらえるので安心してください。ご自身のワキガに最適な治療法を知るためには、医師の診察を受けるためにクリニックへ行くことが必要です。
気になる臭いを消すためにデオドラント製品などを使っていませんか?そのような一時的な対策では根本の解決はできません。再発しない治療を通じて根本から解決しましょう!おすすめの治療はこれ!
日本形成医外科学会の専門医でもある院長の南部医師が、カウンセリングからアフターケアまで一貫して対応しているクリニック。
複数の治療法に対応しており、特にウルセラドライやマイクロニードルドライ、ペアドライなど、切らない施術に特化しているところが特徴です。
中でもペアドライは小さなお子様にも対応できるワキガ治療機器。再発しやすい子供向けに、一定額で何度でも再治療を受けられる保障制度が設けられている点も注目です。
さくらビューティクリニックでは、ワキガ・多汗症治療をはじめ、美肌やエイジングケア、顔・ボディ・医療痩身や医療脱毛、など様々な診療を扱っています。
わきが治療においては、保険適用が認められている、「剪除法」も行っており、患者の希望に合わせた治療方法を提案してもらえます。
「剪除法」は、ワキの皮膚をしわに沿って切開して、目視でワキガの原因である汗腺を切除する方法で、ポピュラーな治療法でもあります。
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